エンジェル ウォーズ@新宿バルト9
2011.04.16 | Movie

※ネタバレあり
「300」「ウォッチメン」のザック・スナイダーが、初のオリジナル脚本で手がけたアクション映画。原題は「Sucker Punch」。
「ウォッチメン」のハンパない原作再現っぷりで一目置いていた監督なんだけども、原作ありの映画だけ撮ってきたスナイダーがついにオリジナル脚本ということで、これは観とかなあかん!と思い公開日にGO。
「金髪美少女+セーラー服+日本刀」というB級な設定を、A級の映像で魅せるという、いってしまえば既出感満載、そして地雷感バリバリだったわけだが、結論から言うと本当に地雷でしたw
両親を亡くし、継父のもとで虐待をうけて過ごす少女:ベイビードール(エミリー・ブラウニング)は、継父への反抗が原因で精神病院に入れられてしまう。自由を求める主人公は重層構造の空想世界を作り出し...物語は展開していく。
空想世界では5人の少女が様々な武器を駆使し敵をなぎ倒していく。ミッションをクリアしたら空想終了。というパターンで進んでいくRPG的な展開。
ミッションの内容は全て空想前(正しくは空想一層目)の世界とリンクしている。舞台は、日本の寺院、ドラゴンの住む城、第二次大戦、未来都市と、まさに「ステージ」と呼びたくなるものだ。
ここまでだとなんかGANTZっぽくて面白そうだが、観客のニーズってものを分かってない致命的ないくつかの欠点のせいで台無しに。
特に"終盤のキス"は多くの観客のブーイングをくらうであろう、酷過ぎる展開。この手の美少女ヒロインものでパンチラの1つもなしに少女の身体的魅力を避けたあげく、フリまでついたキスをあろうことか"道具"として終わらせるとは...。ザック・スナイダーは究極のドSか、とんでもない女卑野郎に違いない。
肝心のアクションはというと、ド迫力のCGにスナイダーお得意のスローモーションと早回しを駆使したアクションがわんさかと詰め込まれていて、見栄えという意味では素晴らしい。が、ちょっとゴタゴタしすぎて何やってるのか分かりにくいのも否めない。
ウォッチメンでは、アクションがシンプルで少人数のため生じる迫力不足を、この手法でカバーすることで上手く機能しているが(冒頭、コメディアンの格闘シーンなんか最高)、本作や「300」のような"無双"式のアクションではうまく機能してない気が。あと「抜刀」や「ドラゴン串刺し」もなんかお決まりすぎてちょっと物足りない。もう少し工夫して欲しかったところ。ドラゴンの体内ほじくりは新鮮だった。
ラストは自己の確立みたいな話になっていくが、ベイビードールの自己犠牲が結局そのメッセージに繋がっていかない為、メッセージも雰囲気だけのものになっている気がする。
前述の「ステージ」へのワクワク感をはじめ、"画"としては非常に楽しめる作品だ。あとUSオルタナ育ちとしてはPixiesの"Where Is My Mind?"の変なカヴァーがあって違う意味で楽しめたり。
ということで、スナイダー監督の過去作が良かったのは、やはり原作の面白さによるものだと実感。


