Live/Dead - Grateful Dead
2011.04.09 | Space / Psychedelic

今年のフジロック出演バンドをチェックしてて気になったDark Star Orchestra。
どんなバンドだろうと思ってググったらなんとデッドのトリビュートバンドとな!
彼らの音源が手に入りそうもないので、バンド名の元ネタである"Dark Star"収録のデッド69年の名作「Live / Dead」を改めて。
ロック史に燦然と輝く名ライヴとして名高い本作、カントリー、ブルース、ジャズまでも飲み込んだ幽玄なるインプロヴィゼーションが、全編に渡って繰り広げられる。
まずは23分に及ぶ#1 Dark Starにのっけから圧倒される。
69年と言えば、ロックもジャズも長尺の即興演奏を身の上としたパフォーマンスがそこら中で繰り広げられていた時代。
しかし強力なライバル達を差し置いても「即興といえばデッド」と言われる所以は何か。この "Dark Star"を聴けば誰もが納得するところ。
CreamやAllmansのインプロが時間経過とともに演奏のテンションを上げていくのに対し、ここでのデッドの演奏は、徹頭徹尾恐ろしく静かだ。
それは同時に、ブルースギタリストがギターを「弾き倒していく」のに対し、ジェリー・ガルシアは撫でるようにギターを弾いているという事にも通じる。
ガルシアが紡ぎ出すこの繊細な音の粒は、静かなのに、しかしこの上なく力強い。文字通り息を飲むプレイ。
ブルースからもジャズからも影響を受けていないような、摩訶不思議なフレーズ・・・。幽玄な演奏と相まって、本当に宇宙からやってきた音楽のような錯覚を覚える。(これはガルシアがバンジョー使いだったことに起因するのか。)
あまたのギタリストがその偉大なる功績でフォロワーを作ってきたが、未だにフォロワーすら登場しない"唯一無二のギタリスト"はザッパかガルシアかくらいのもんじゃないだろうか?
本作は#1 Dark Starのみにあらず。アナログ盤でいうB面以降もこれまたトリップ必至の危険な内容。
デッドの演奏の要であるフィル・レッシュの縦横無尽にうねりまくる分厚いベースが脳を揺らし、ミッキー・ハートとビル・クルーツマン二人掛かりのパーカッションが身体を揺らす。そこに前述のギタープレイが乗り、いよいよ聴き手を宇宙の遙か彼方へと誘う。
待っているのは天国か?それとも偉大なる死か?
遡って考えてみると、本作一枚だけでも後世に与えた影響は計り知れない。
即興演奏の可能性を広げた"Dark Star"。アメリカの土着的音楽をサイケデリックと結びつけた"St. Stephen"や"The Eleven"。ジャズロック的アンサンブルでスリリングに演出したボビー・ブランドのR&B曲"Turn On Your Love Light"。アンビエント/ノイズ・アヴァンギャルドの先駆けとも言える"Feedback"。レヴァランド・ゲイリー・デイヴィスの"Death Don't Have No Mercy"は、ジミの"All Along the Watchtower"に肉薄する完成度を誇るブルースの再構築。
聴けば聴くほど深みにハマっていき、デッドの宇宙から抜け出せなくなる。





